【保存版】警察から「家族が孤独死した」と連絡が来た直後にやるべき3つのこと

突然鳴った電話。見知らぬ警察署からの着信に出てみると、「ご家族が亡くなっているのが見つかりました」という信じられない知らせが。 頭が真っ白になり、何を言われているのか理解できず、ただ手が震える……。無理もありません。誰だって突然の訃報、それも孤独死という形での別れを受け止めることは容易ではありません。

私たちは特殊清掃の現場で、深い悲しみと同時に「これからどうすればいいのか全く分からない」と途方に暮れるご遺族様を数え切れないほど見てきました。悲しむ間もなく、警察での手続き、葬儀の手配、そして異臭が漂う部屋の片付けと、次から次へと重い決断を迫られるのが孤独死の現実です。

この記事では、年間を通して凄惨な現場を復旧させている特殊清掃のプロの視点から、警察からの連絡直後に「まず何をすべきか」、そして「どんなトラブルが待ち受けているか」のリアルな実態を隠さずお伝えします。 どうか深呼吸をして、一つずつ確認してみてください。今後の道しるべになれば幸いです。

1. まず大前提として「絶対にやってはいけないこと」

具体的な手続きのお話をする前に、これだけは必ず守っていただきたいことがあります。 それは、**「警察の許可が出る前に、絶対に部屋の中へ入ってはいけない」**ということです。

身内としては、すぐにでも駆けつけて安否を確認したい、少しでも部屋を綺麗にしてあげたいと思うのが人情です。しかし、孤独死の現場には想像を絶するリスクが潜んでいます。

① 事件性の調査(現場保存)の妨げになる行為

ご遺体が発見された際、警察はまず事件性の有無を調べるために「検視(けんし)」や現場検証を行います。この調査が完了し、警察から「規制解除」の許可が下りるまでは、たとえ血の繋がったご遺族であっても立ち入りは法律で固く禁じられています。ドアに貼られた立ち入り禁止の封印テープを勝手に剥がすと、証拠隠滅を疑われるなど大きなトラブルに発展しかねません。

② 想像を絶する「悪臭」と「感染症」のリスク

ご遺体の発見が数日〜数週間遅れた場合、室内はすでに日常生活の空間ではなくなっています。強烈な腐敗ガスが充満し、体液や血液が床下にまで染み込み、ウジ虫やハエなどの害虫が大量発生していることがほとんどです。 マスク一つで足を踏み入れると、高濃度のアンモニアや腐敗臭により一瞬で嘔吐してしまったり、髪の毛や衣服に染み付いた死臭が何日も取れなくなったりします。また、未知のウイルスや細菌による深刻な健康被害のリスクもあります。

③ 部屋を1人で見てしまう

何より一番恐ろしいのは、変わり果てたご家族の姿や、凄惨な部屋の状況を直接見てしまうことで負う精神的ショックです。私たちプロの作業員でさえ、現場の凄まじさに言葉を失うことがあります。心の準備ができていないご遺族様が無理に入室し、その光景がフラッシュバックして日常生活を送れなくなってしまうケースを、私たちは何度も目にしてきました。 ご自身の心と体を守るためにも、現場には直接向かわず、まずは警察の指示を待つようにしてください。

2. 警察からの連絡後にやるべき「3つのこと」

パニックになるお気持ちを少しだけ鎮めていただき、以下の3つのステップに沿って動いてください。これが、その後のトラブルを最小限に抑えるための正しい手順です。

ステップ1:警察署での身元確認と「死体検案書」の取得

警察から連絡を受けたら、現場のアパートやマンションではなく、管轄の警察署へ向かいます。そこでご遺体の身元確認を行うことになります。

孤独死の場合、病院で亡くなった時にもらえる「死亡診断書」は発行されません。代わりに、警察指定の監察医が死因を調べた上で発行する**「死体検案書」**が必要になります。 ここでご遺族様が直面する最初のリアルな壁が「お金」です。病院の死亡診断書は数千円程度ですが、死体検案書は行政機関の検視費用が加わるため、数万円、場合によっては10万円近い費用がかかることがあります。警察署に行く際は、念のため多めの現金を持参することをおすすめします。

また、事件性が疑われる場合や死因が特定できない場合は、「行政解剖」や「司法解剖」に回されることがあります。この場合、ご遺体の引き渡しまでに数週間〜1ヶ月近く待たされることも珍しくありません。 警察官には必ず以下の3点を確認してください。

  • ご遺体の引き渡しはいつ頃になるか
  • 部屋の立ち入り制限(規制解除)はいつになるか
  • 部屋の鍵はいつ返却されるのか

ステップ2:葬儀社の手配とご遺体の搬送

警察での検視や解剖が終わり、ご遺体の引き渡し許可が出たら、速やかに葬儀社を手配してご遺体を搬送しなければなりません。警察署の霊安室はご遺体を長く安置しておく場所ではないため、「なるべく早く引き取ってください」と急かされることがほとんどです。

ここで知っておくべき孤独死特有の事情として、ご遺体の腐敗が進んでいる場合、一般的なお通夜や告別式を行うことが非常に困難になります。対面での最後のお別れが叶わず、そのまま火葬場へ向かう「直葬(ちょくそう・火葬式)」を選ばざるを得ないご家族が多くいらっしゃいます。 葬儀社に連絡する際は、必ず**「警察署からの搬送であること」と「孤独死であり、ご遺体の状態があまり良くない可能性があること」**を率直に伝えてください。特殊な処置(納体袋の用意など)が必要になるため、これらを事前に伝えておかないと搬送を断られてしまうトラブルも起きています。

ステップ3:管理会社(大家さん)への連絡と「特殊清掃」の確保

賃貸物件にお住まいだった場合、部屋の貸主である管理会社や大家さんに連絡を入れます。 実は、ここで**「警察が帰ったあとの窓開けっぱなし問題」**という深刻なトラブルが頻発します。警察は現場検証の際、においを抜くために窓を開けることが多いのですが、規制線を張って帰る際に、その窓を開けたままにしてしまうことがあるのです。 するとどうなるか。強烈な死臭が外にダダ漏れになり、隣近所から大家さんへクレームの電話が殺到します。大家さんからは「今すぐどうにかしてくれ!」と遺族に矢の催促が来ますが、遺族は立ち入り禁止で部屋に入れません。

こうした事態を防ぐため、大家さんへの連絡と同時に**「特殊清掃業者の手配」**に動いてください。

なぜ普通の清掃業者ではダメなのか?

「普通のハウスクリーニング業者に頼めば安く済むのでは?」と考える方もいらっしゃいますが、結論から言えば絶対に不可能です。孤独死現場の腐敗臭や、床下まで染み込んだ体液は、市販の洗剤や一般の掃除道具では1%も落ちません。 さらに、不完全な清掃で臭いが残ったまま引き渡すと、大家さんから「次の入居者に貸せない」と数百万円単位の高額な損害賠償を請求されるシビアな現実があります。

専用の強力なオゾン脱臭機や特別な除菌薬剤を使用し、フローリングの隙間から壁紙の裏側まで徹底的に洗浄・消臭できるのは「特殊清掃の専門業者」だけです。 警察から「明日には部屋の規制が解除されます」と言われたタイミングで、特殊清掃業者がすぐに見積もりと初期対応(一次消臭と害虫駆除)に入れるよう、あらかじめ業者を確保しておくことが、その後のトラブルを未然に防ぐ最大の防御策になります。

3. 特殊清掃と遺品整理を依頼する際の注意点

焦って業者を探すと、遺族の足元を見る悪徳業者に引っかかってしまう危険性があります。 現場をろくに見ずに「10万円で全部やります」と安請け合いし、後から「体液が基礎まで染みていた」「ゴミの処分費は別だった」と数十万円も追加請求してくる手口が後を絶ちません。また、格安で遺品を回収し、それが不法投棄されて遺族が警察から連絡を受けるという最悪のケースもあります。

優良な業者を見分けるポイントは以下の通りです。

  • 見積もりの内訳が明確で、「見積もり後の追加請求は一切ない」と明言しているか
  • 特殊清掃(消臭)だけでなく、遺品整理や不用品の買取まで一括で対応できるか
  • 現場の原状回復(リフォーム)や解体のことまで想定した見積もりが出せるか

複数の業者に相見積もりを取る余裕がないほど切羽詰まっている状況だからこそ、電話口での対応の誠実さや、作業実績をしっかり公開している業者を選ぶことが重要です。

まとめ:一人で抱え込まず、まずはプロにご相談を

警察からの連絡直後にやるべきことは、以下の3つです。

  1. 警察署での身元確認とスケジュールの把握、検案書費用の準備
  2. ご遺体を速やかに搬送・安置してくれる葬儀社の手配
  3. 大家さんへの連絡と、二次被害を防ぐための特殊清掃業者の確保

突然の訃報に加え、警察での慣れないやり取り、多額の出費、そして凄惨な現場の現実。ご遺族様が背負う精神的・肉体的な負担は、到底一人で抱えきれるものではありません。悲しむ時間すら与えられず、心身ともにすり減ってしまう方が本当に多いのです。

だからこそ、すべての重荷をご自身やご家族だけで背負おうとしないでください。 私たち特殊清掃のプロは、単に部屋をきれいにするだけの業者ではありません。大家さんへの説明や原状回復の交渉、思い出の品を丁寧に取り扱う遺品整理、そして供養の手配まで、ご遺族様が前を向くためのあらゆるサポートを窓口ひとつで引き受けます。

どうか無理をせず、まずは専門家の力を頼ってください。お部屋がきれいになり、故人様との思い出を穏やかな気持ちで振り返れる日が来るよう、全力でサポートさせていただきます。